すぐに使える「おっ」と思わせる自主映画撮影の方法4つを紹介!

自主映画を撮影したものの、なんとなくのっぺりした面白みのない作品になってしまったと言う経験はありませんか。本記事では映画でよく用いられる撮影手法を紹介します。ここに書いた方法を用いてワンランク上の作品を創りましょう。

肩越しショット

映画では多く用いられている「肩越しショット」の例をまず示します。

肩越しショット
肩越しショットの例(参考画像がツッコミどころ満載ですがお許しを)

多くは2人が向かい合って会話するシーンで用いられます。被写体の表情が伝わりやすく、もう一方の目線と同じ画角になるため作品に入り込みやすく、さらに手前の被写体の肩と被写体の奥の背景がぼけることで作品に立体感が生まれるという利点があります。

特に特殊な技術を必要としないため取り入れやすいのですが、イマジナリーラインを越えないように気をつけましょう。

どの被写体を映すのか

撮影において、誰をどのように映すかが最も重要であり、話している人物を画角に収めるのは鉄則ですが、時折話を聞いている側の人物を映したり、風景を映したりすると作品が単調になるのを避けることができます。

例えば、2人が交互に会話しているシーンで、交互に映すのではなく、時折一方を構図をいくつか変えて映すと、動きが多くなりすぎないので観客への負担を軽減することができます。

もちろん、多用すると違和感が出てしまいますが、会話のテンポが速い場合や回想の台詞のカットなどでは必ずしも話している被写体を映さないといけないというわけではありません。

動きのある映像

三脚に固定したままのカット(=FIX)が連続すると映像に動きがなく退屈になってしまいます。それでは、どのようにして動きのある映像にすれば良いのでしょうか。対応としてはパンやチルト、手持ち撮影などがあります。

パンとは、三脚に設置したカメラを水平方向に動かすことです。パンは略語で、語源はパノラマです。一方で垂直方向の移動をチルトと呼びます。これらはぶれを最小限に抑えながら映像に動きを与える技法で、比較的簡単に使うことができるのでおすすめです。演者が動く場合や高層ビルなど、FIXで画角に収めることができない対象を映す時にも役立ちます。

手持ち撮影は文字通り三脚等を用いずに撮影することで、ほんの僅かに映像が揺れるため、人間の視界と似た感覚を与え、作品に入り込ませることができます。FIXと手持ち撮影のどちらを選択するかについては、基本的には監督の好みになります。

具体的に判断基準を示すと、例えば感動的なシーンやアクションシーンなどではリアリティを生むため手ぶれのある手持ち撮影を行い、風景や街の人の様子を映すシーンはFIXで写真のようなイメージを与える方が良いです。

映像中の色のもたらす効果と構成

これまでの3つの技術は比較的容易に導入できますが、この技術は編集にも関わる上、失敗すると初心者感の出る作品になってしまうため注意しましょう。

まず、映像中の色のもたらす効果とはどういうことか説明する。下の写真のa)とb)を見比べてみてください。

a)青っぽい色味の画像
彩度の高い画像
b)赤っぽい色味の画像

このシーンが例えば、必修の単位を落としたことを知ったシーンだとしましょう。その場合、あなたが監督ならa)、b)どちらの映像を選択しますか?a)を選択する人が多いでしょう。また、久しぶりの親友との電話だとすればb)を選択する人が多いでしょう。これが映像中の色のもたらす効果です。映像中の色味は観客に、色の持つイメージに基づいた印象を与えることができるのです。

 次に、色の持つ属性と色相環から具体的に色の効果について説明します。まず、色が持つ属性について説明します。色は色相、彩度、明度の3属性を持ち、色相は緑や赤などの色の変化を、彩度は色の鮮やかさを、そして明度は色の明るさを意味します。この中で、映像中で最も大きな意味を持つものが彩度です。鮮やかな映像にするか淡い映像にするかは監督の裁量次第ですので、映像中の彩度については撮影前に考えておきましょう。

続いて色相ですが、撮りたいシーンに登場する物の色を意図的に変更することは容易ではなく、変更するメリットを監督が知らないので意図して作品に組み込むのは難しいです。興味があればコメントをいただければ改めて記事にします。簡単に説明すると、目立たせたい場所はそのほかの色の補色を用いるのが補色の効果です。

補色とは、色相環におけるシーン中の色に対して点対称な色のことです。

色相環
色相環

例えば、青の補色は黄色寄りの橙色なので、青が多い構図に橙色をアクセントとして入れると映像に深みを出すことができるのです。具体的な例としては陽が沈む海があります。これは画面の多くを占める青い海と空に対して夕日の橙色が補色として存在している構図です。このように、元々の構図の中に補色が存在することがあるので、そのような場合には積極的に補色を採用していくと映像に深みを出すことができます。

  最後に、彩度について説明します。これも画像を見比べてみましょう。

彩度の高い画像
a)彩度の高い画像
彩度の低い画像
b)彩度の低い画像

次にこの二枚の画像の印象について考えましょう。a)は明るい雰囲気や楽しい印象を受けるのに対して、b)は落ち着いた雰囲気や物悲しい印象を受けると思います。これが彩度の違いによる映像に対する印象の違いです。

まとめ

今回は撮影の方法について解説しました。カメラの使い方から編集の方法まで、難易度は異なるもののどれも自主映画のクオリティをワンランク上げることができるものですので積極的に取り入れてみましょう。ご不明な点やわかりにくい点等ありましたらお気軽にコメントをいただけますと幸いです。

映画撮影におすすめのカメラは別記事でも紹介していますのでぜひご覧ください。

一緒に高クオリティの映画を撮影しましょう。

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